屋外EL測定による太陽電池の劣化故障診断

<研究内容>
EL測定とは、太陽電池に電流を流し込んだ時に発光する現象を観察することで劣化故障箇所を特定する 検査技術です。太 陽光発電の出力低下防止の為に、屋外でも簡便な劣化・故障診断法が必要であるが、まだ有効な診断法は確立されていませ ん。そこで、太陽電池の保守・点検の効率化に貢献すべく、屋外でのEL測定の実現を目標に据えた研究です。
ELには微弱な発光強度を持つという性質があるため、外乱光が混在する屋外においての測定は困難とさ れています。外乱 光が存在する環境でEL光の測定を実現する為に、光学的・電気的な視点及びコスト意識も併せ持つアプローチで研究に取り 組んでいます。
現在では、明環境(蛍光灯など室内の明るさ)におけるEL測定を実現することを可能としています。今後は、日射の強い屋 外でのEL測定を可能とするために、外乱光の遮断にむけた様々な取り組みを行う予定となっています。
 

<担当学生>
安藤駿平(2014年4月(M2)〜)


図1 明環境単結晶モジュール



図2 屋外単結晶モジュール


これらの図は、外乱光が存在する明環境と屋外の環境下におけるEL像である。 図1の明環境(蛍光灯や散乱光等)では外乱光を低減してEL像の観測に成功して いる。 しかし、図2の屋外(直射日光等)では外乱光の発光強度が強すぎ、十分な品質 のEL像は取得できていない。